無理なく食欲を抑える、新しい医療ダイエット｜話題のGLP-1注射とは？【インタビュー：医療法人社団筑三会様】

「食事制限や運動を頑張っているのに、なかなか痩せない…」そんな悩みを持つ方に、近年注目されているのが「GLP-1受容体作動薬」の注射です。

もともとは糖尿病治療薬として開発されたこの薬ですが、血糖値の改善だけでなく、強い食欲抑制効果があることから、医療ダイエットの分野でも広く使われるようになってきました。

本記事では、実際にGLP-1注射とはどんな薬で、どのような仕組みで痩せられるのかについて、医療法人社団筑三会様にお話を伺った内容をまとめています。GLP-1注射を使ったダイエットに興味がある方は、ぜひお読みください。

GLP-1注射の働きや仕組み｜医学的根拠に基づいた新しい医療ダイエット

GLP-1とは、腸から分泌されるホルモンの一種で、血糖値の調整や胃の動きをゆるやかにする働きがあります。注射によってこのホルモンを補うと、脳が「もう満腹」と感じやすくなり、自然と食欲が抑えられるのが特徴です。

この作用は、「無理に我慢する」というダイエットのイメージとは違い、「気がついたら食べなくても平気だった」というような感覚に近いため、我慢せずに自然とダイエットができます。

また「我慢している」というストレスが少ないため、リバウンドも起こりにくいのが特徴です。

GLP-1注射の流れ｜施術前の準備からアフターケアまで

施術は、まず医師による問診からスタートします。体調や既往歴などを確認し、必要であれば血液検査を行います。これは、安全に自己注射を続けるために重要なステップです。

問題がなければその場で注射の指導を受け、実際にモデルキットを使ってやり方を練習します。基本的には患者様自身が自宅で自己注射を行うスタイルですが、初回は医師がしっかりと確認するため安心です。

注射は週に1回が基本で、最低でも1ヶ月以上の継続が推奨されています。1週間ごとに医師とのカウンセリング（問診）があり、体調や体重の変化、副作用の有無を確認しながら、必要に応じて投与量を調整していきます。

GLP-1注射の主な効果｜体重減少・血糖改善・生活習慣病予防

GLP-1注射の最大の魅力は、自然に食欲を抑えられることです。それにより無理なく食事量が減り、体重も落ちやすくなります。

さらに、GLP-1は医療の世界でも高く評価されており、血糖値の改善や脂質代謝の正常化といった効果も認められています。糖尿病治療薬として承認されている背景には、しっかりとした臨床試験（STEP試験など）によるエビデンスがあるからです。

また、医学誌『The Lancet』や『New England Journal of Medicine（NEJM）』では、心筋梗塞や脳卒中などの心血管疾患リスクの低下についても報告されています。

さらに最近では、認知症の予防効果へも期待が集まっています。GLP-1には脳の炎症を抑える可能性があるとされているからです。そのためアメリカの神経学会では、将来的にアルツハイマー型認知症の予防薬としての活用も期待されています。

GLP-1注射の副作用と注意点｜安全に続けるためのポイント

GLP-1注射はさまざまな面で期待されていますが、体に作用する薬である以上、副作用のリスクもゼロではありません。

もっともよくあるのは軽い吐き気や便秘です。これは、胃腸の動きがゆるやかになるGLP-1の特性によるものですが、医師によるフォローがあれば問題ないケースがほとんどです。

医療法人社団筑三会様では、吐き気が強い場合は、薬の量を一時的に減らしたり、必要に応じて吐き気止めを併用したりし、無理なく継続できるよう、慎重に調整しております。

まれに「膵炎（すいえん）」など重篤な症状に関する報告もありますが、国内での因果関係は明確になっていないとのことです。日常的に飲酒量が多い方や基礎疾患のある方は、事前の相談が推奨されます。

ただ、多くの人にとっては「我慢しなくても自然と食べなくて済む感覚」が得られ、日常生活に大きな支障をきたすことは少ないようです。実際に使用した患者様の多くが「お菓子やアルコールなど、目の前にあっても手が伸びにくくなった」と実感しています。

GLP-1注射を施術する際、特別な注意点はほとんどないのも気軽に実践できるポイントです。水分補給をしっかり行う以外は食事制限などもないため、無理なダイエットにストレスを感じている方にぴったりです。

GLP-1注射がおすすめな人｜停滞期・食欲コントロールに悩む方へ

「運動も食事制限もしているのに、体重が落ちない」という、いわゆる停滞期を経験して、ダイエットをあきらめてしまった人は少なくありません。

GLP-1注射は、そうした「最初のきっかけ」を作るための選択肢として、医師からも推奨されています。

多くの方が最初の1〜2ヶ月で目標体重に到達されます。そのように早い段階で成果を感じられると、継続するモチベーションにもつながるものです。患者様の中には、2ヶ月で満足してやめられる方も多く、比較的短期間で効果を実感できます。

薬のサポートによって我慢しなくても痩せられる体感を得ることで、その後の生活習慣にも好影響が出るようです。

GLP-1注射の費用と保険適用の違い｜自由診療との比較

GLP-1注射は、現在日本では「2型糖尿病」や「高度肥満（BMI35以上）」と診断された場合のみ保険適用となります。

この条件に該当すれば、保険診療のもとで1回あたり数千円程度で施術が受けられる場合もあります。ただし、使用できる薬剤には制限があり、自由診療で使われるGLP-1製剤とは異なるケースもあるため注意しましょう。

一方で、美容目的で使用する場合は「自由診療」となり、クリニックによって価格帯に大きな差があります。医療法人社団筑三会様によれば、「1ヶ月分で2万円前後」という設定が多く、注射4本セットで販売されているのが一般的とのことです。

GLP-1は日本よりも海外の方が一般的で、現地では認知症予防やアルコール依存症の治療にも使われ始めています。今後、日本でも活用の幅が広がるかもしれません。

GLP-1注射の本質｜美容目的でも「健康な体づくり」が前提

美容ダイエットとしても注目されているGLP-1ですが、医療法人社団筑三会様は「単に痩せるための薬」としてだけではなく、「健康を整える選択肢」として使ってほしいと話します。

医療法人社団筑三会様では消化器内科として、拒食症の方の体重を増やすために点滴治療をすることもあります。ただ「痩せていればいい」という話ではなく、栄養状態や体の中から整えることが、美しさにもつながっていくと考えているそうです。

体重や体型はあくまでも結果です。GLP-1は「体を正しいバランスに導くための一つのサポート」として、医療の現場から適切に提供されています。

まとめ｜GLP-1注射で無理のないダイエットを実現するために

GLP-1注射は、無理な食事制限や過度な運動なしで体重のコントロールをサポートしてくれる、医学的に裏付けのあるダイエット方法です。

特に「頑張っても成果が出ない」「食欲がどうしても我慢できない」という方にとっては、「結果が出ることで前向きに進められる」きっかけになるかもしれません。

医療法人社団筑三会様は、「医療機関での管理のもと、正しく使えば、安全かつ効果的に体と向き合うことができます。美容よりもまず健康が重要です。そのうえで、理想のボディラインに近づけていきましょう。」とお伝えしています。

健康的にダイエットをしたいとお考えの方は、ぜひ医療法人社団筑三会様にご相談されてみてはいかがでしょうか？

インタビュー：鈴木 隆二（理事長）
社名：医療法人社団　 筑三会　筑波胃腸病院
事業内容：消化器外科、消化器内科、外科、内科、内視鏡外科、内視鏡内科、肛門外科、腫瘍内科、麻酔科、リハビリテーション科
サイト：https://www.tsukubaichou.com