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「大切なイベントに合わせて顔をスッキリさせたい」「シワのない状態で写真を残したい」
そう考えてボトックスを検討中の方にとって気になるのは「いつ打てば、その日に間に合うのか?」というタイムスケジュールではないでしょうか。
ボトックスは即効性のある施術と思われがちですが、実は注射直後には変化がなく、数日〜数週間かけてじわじわと効いてくる「遅効性」の治療です。
そのため焦って直前に打っても間に合わないこともあれば、逆に早すぎてピークを過ぎてしまうことも。
この記事では、ボトックスの効果が現れる具体的な日数から、部位ごとのタイムラグ、そしてせっかくの効果を無駄にしないための「ダウンタイム中の過ごし方」まで、失敗しないためのスケジュール戦略を徹底解説します。
結論から言うと、多くのケースで変化を感じ始めるのは施術から2〜3日後です。
「注射したその瞬間にシワが消える」わけではありません。施術当日に鏡を見ても変化がないため、「失敗したのでは?」と不安になる方がいらっしゃいますが、これは正常な反応です。
ボトックス(ボツリヌストキシン)は、神経と筋肉の命令伝達をブロックする薬剤です。薬剤が神経に浸透し、筋肉の動きが止まるまでにはどうしても物理的な時間が必要となります。
「結婚式」や「前撮り」などの予定がある場合、直前ではなく「2週間〜1カ月前」に施術を受けるのがベストです。これにより、内出血のリスク期間を回避しつつ、効果が最大化した状態で当日を迎えられます。
ボトックスは「筋肉を止める(シワ)」のか、「筋肉を痩せさせる(小顔・痩身)」のかによって、効果実感までのスピードが異なります。
額、眉間、目尻、脇(多汗症)、マイクロボトックスのように筋肉の「動き」を止める、あるいは汗腺への指令を止める施術は比較的早く効果が出ます。
シワ治療の場合、打ってから2週間経過してもシワが寄るようであれば、注入量が不足している可能性があります。その際は再注入(タッチアップ)を検討しましょう。
エラ(咬筋)、ふくらはぎ、肩こりのためのボトックスは、筋肉の動きを止めて使わなくなった筋肉が痩せて細くなる(廃用性萎縮)のを待つ施術です。ギブスを外した後の腕が細くなっているのと同じ原理を利用します。
エラボトックスなどは、打ってすぐに顔が小さくなるわけではありません。「見た目の変化」が欲しい場合は、最低1か月以上前に施術を受ける必要があります。
「1週間経っても変化がない」「すぐに元に戻った」という場合、以下の3つの原因が考えられます。
ボトックスはあくまで「筋肉」に作用する薬剤です。
これらにボトックスを打っても、期待した効果は得られません。適切な適応診断ができる医師を選ぶことが最重要です。
使用する製剤には、厚生労働省承認のアラガン社製(アメリカ)のボトックスビスタや、韓国製(ジェネリック的な位置づけ)など多種類あります。
基本的に効果のメカニズムは同じですが、保存状態が悪い薬剤や、過度に希釈(薄めること)された薬剤では効果が弱まるリスクがあります。
また、短期間(3ヶ月以内)に何度も繰り返し注入を行うと、体内で「中和抗体」が作られ、薬剤が効きにくくなる「耐性」がつくことがあります。焦って追加注入せず、最低でも3ヶ月は間隔を空けるのが鉄則です。
筋肉の大きさや強さは人それぞれです。男性やスポーツ経験者など筋肉が発達している人に、標準的な量(単位数)を注入しても効き目が弱いことがあります。
逆に、効かせすぎると「表情が固まる」原因にもなるため、このさじ加減こそが医師の腕の見せ所と言えます。
ボトックスは安全で手軽にできる施術という印象があるかもしれませんが、実は失敗のリスクもゼロではありません。
ボトックスの注入量が過剰だったり注入部位が正しくなかったりすると、筋肉が緩み、表情筋がうまく働かなくなることでさまざまな症状が現れます。
など、表情がなくなり笑顔が不自然になってしまうのです。
これは額と眉間の両方にボトックスを打った際に発生しやすいスポックブローという症状です。
施術前の状態を正確に見極め、前頭筋外側部への注入単位数を中央部よりやや多めにするなど、適切な技術が求められます。
医師が注入する箇所や量を間違えると、皮膚がデコボコになる可能性があります。特にエラやフェイスラインはボトックスを注射する際は注意が必要です。
適切な深さと量で注入することが重要となるため、経験豊富な医師による施術が推奨されます。
ボトックスの注入量が多すぎると、筋肉が収縮したときに空気の抜けた風船のように皮膚が余り、たるみの原因につながります。
特に40代以降の方で咬筋が発達している場合、筋肉が小さくなる分たるみが生じる可能性があります。カウンセリングでリスクまでしっかり説明を受けた上で施術を受けることが大切です。
お悩みの原因が筋肉ではなく骨や脂肪の場合は効果がないと感じてしまいます。
ボトックスは筋肉の動きを抑制する治療のため、骨格や脂肪が原因の場合は効果が期待できません。適切な診断を受けて、自分の悩みにボトックスが適しているかを確認することが重要です。
ボトックスの効果をしっかり定着させるためには、施術直後の過ごし方が鍵を握ります。特に「熱」と「血流」に注意が必要です。
ボツリヌストキシンは熱に弱いタンパク質です。定着する前に体温を急激に上げると、薬剤が変性(失活)し、効果が弱まる可能性があります。
施術後3日〜1週間は、サウナや岩盤浴は避け、入浴もぬるめのシャワー程度に留めましょう。
血行が良くなりすぎると、注入した薬剤が血流に乗って拡散し、狙った筋肉以外の場所に流れてしまう恐れがあります。
施術当日は飲酒を控え、激しいスポーツも2〜3日は我慢してください。
気になって患部を揉んだり、美顔器を当てたりするのは厳禁です。薬剤が周囲に広がり、まぶたが重くなるなどの副作用を引き起こす原因になります。
施術後1週間はフェイスマッサージやエステを控えましょう。
ここからは、ボトックスの効果にまつわる質問にお答えします。
施術翌日に目に見える大きな効果を感じることはほとんどありません。
ボトックスは筋肉の緊張を和らげ、効果が現れるまでには時間がかかります。一般的には2〜3日から効果が現れ始め、2週間程度で安定します。
初めての施術の場合は、効果が出やすい傾向にあるものの、即効性は期待できません。
ボツリヌストキシン製剤は安全性は高い薬剤ではありますが、まれに副作用はあります。
| 一般的な副作用 | まれな副作用 |
|---|---|
| ・注射部位の痛み、腫れ、赤み、内出血 ・頭痛 ・注射部位の筋肉の弱まりや麻痺 ・まぶたや眉毛の下垂(特に顔面への注射の場合) ・ドライアイまたは過度の涙目 ・吐き気 ・一時的な顔面の非対称性 | ・アレルギー反応(発疹、かゆみ、呼吸困難) ・飲み込みづらい、話しづらい ・視覚障害や複視 ・筋力低下が広がる |
一般的な副作用の多くは投与量や注射部位などによるもので、数日から1週間程度で自然に治まります。
重篤な副作用が現れた場合や、通常とは異なる症状が続く場合は、すぐに医療機関を受診してください。
ボトックスの効果の出方をおさらいします。
「明日どうにかしたい」という即効性は期待できませんが、スケジュールを逆算して利用すれば、これほどコストパフォーマンス良く美容効果を得られる治療は少ないでしょう。
また、効果が切れて完全に元に戻ってしまう前に次回の施術を受けることで、シワの刻まれを防ぎ、小顔の状態をキープしやすくなります。「完全に切れる前、4ヶ月おき」を目安にメンテナンス計画を立ててみてください。

大手美容クリニックで修練を積む際に、売上げ至上主義の運営方針にどうしてもついていけずに退職、自身のポリシーに従って誠実に美容医療を提供するために開業を決意した。美容医療の治療は「数か月できれいさっぱり効果がなくなる」と多くの方が誤解している状況に警鐘をならし、本当のことをありのままていねいに伝えていくことを通して、長期にわたってよい状態を保つために、必要な治療だけを厳選して提供する方針を貫く。この方針に共感した医師・投資家たちとともに2018年に中国の北京で領医医美クリニックを開業し、多くの業界人・富裕層からの支持を得て今に至る。
資格・所属:
日本美容外科学会
サーマクール認定医
アラガン認定VST医