幻の美容成分「あおもりプロテオグリカン」から、世界初のカタクリ葉エキス配合日焼け止めまで。青森の自然の恵みを届ける株式会社イチカワ化粧品 開発者インタビュー

近年、スキンケア成分として耳にする機会が増えた「プロテオグリカン」。あおもりプロテオグリカンは、高い保水力を持つ成分として注目されていますが、かつては1gを製造するために約3,000万円ものコストがかかり、商品への活用が難しい“幻の成分”とされていました。

そのあおもりプロテオグリカンをはじめ、青森県で生まれた美容成分を取り入れた商品を展開しているのが、株式会社イチカワ化粧品です。

同社では現在、青森県の産学官連携プロジェクトから生まれた「カタクリ葉エキス」を配合した、世界初※の日焼け止め「BLUE WING カタクリ UVプロテクト」も展開しています。

※カタクリ葉エキスを配合した製品として。2026年5月時点/イチカワ化粧品調べ。

今回は、株式会社イチカワ化粧品の開発担当 市川道恵様に、青森県の自然素材を活かした商品づくりや開発に込めた思い、自分の肌に合うスキンケア商品の選び方について伺いました。

目次

かつては1g3,000万円。青森の郷土料理が変えたプロテオグリカンの歴史

プロテオグリカンは、人の皮膚や軟骨などにも存在する成分です。化粧品などに使われる「あおもりPG」は、弘前大学が開発した技術により抽出されたプロテオグリカンのことで、原料はサケの鼻軟骨から抽出されています。

その機能性は以前から注目されていたものの、熱に弱く、効率的な抽出方法が確立されていなかったことから、かつては1gを製造するために約3,000万円ものコストがかかっていました。抽出には有害な試薬も必要だったため、一般的な商品への活用は現実的ではなかったといいます。

状況を大きく変えたのが、青森県の郷土料理「氷頭(ひず)なます」でした。

氷頭なますは、鮭の頭部にある軟骨を薄く切り、酢に漬けてやわらかくした料理です。研究チームは、酢によって軟骨がやわらかくなることに着目し、プロテオグリカンの抽出技術の研究を進めました。

その結果、2000年には食用酢酸とアルコールを使い、安全かつ低コストで高純度のプロテオグリカンを抽出する技術が確立。2003年には、青森県内の企業による量産化に成功しました。

青森県の食文化と研究者の着想によって、プロテオグリカンは一部の研究機関だけで扱われる成分から、化粧品や健康食品などにも活用できる身近な成分へと変わっていったのです。

保湿だけではない、プロテオグリカンの多機能性

プロテオグリカンの大きな特徴として挙げられるのが、高い保水力です。

市川様によると、一定の試験条件下では、ヒアルロン酸を上回る保水性を示したデータもあるといいます。ただし、プロテオグリカンの魅力は、保水力だけではありません。

プロテオグリカンを用いた研究では、肌の弾力やターンオーバー、メラニン生成抑制などに関するさまざまな働きが調べられています。

また、市川様は、プロテオグリカンを「ほかの美容成分を後押しする司令塔のような存在」と表現します。

ヒアルロン酸やコラーゲンなどと組み合わせることで、それぞれの美容成分の特長を活かしやすい点も、プロテオグリカンの魅力だと考えているそうです。

自身の病気をきっかけに知ったプロテオグリカン

市川様がプロテオグリカンと出会った背景には、自身の病気の経験がありました。

療養中に知人からプロテオグリカンを紹介され、サプリメントを飲み始めたことが最初のきっかけだったといいます。続けるなかで、本人は肌がなめらかになったように感じ、プロテオグリカンという成分に興味を持つようになりました。

詳しく調べていくと、経口摂取だけでなく、肌に塗布する化粧品原料としても研究されていることを知ります。

「自分自身が良さを感じた成分を、多くの方に届けたい」

その思いが、化粧品開発へ進む原動力になりました。

市川様は、もともと保育士として働いていました。子育て中の母親と接する機会が多いなかで、「女性が働きやすい会社をつくりたい」という思いを抱いていたそうです。

自身が魅力を感じた成分を使って化粧品を作ること。そして、女性が活躍できる場所を作ること。その2つの思いが重なり、化粧品事業を始めることを決意しました。

青森県で生まれた美容成分を詰め込んだオールインワンゲル

そうして誕生した商品のひとつが、プロテオグリカンを中心に配合したオールインワンゲルです。

プロテオグリカンに加え、肌にハリとうるおいを与えることを目的とした「オオヤマザクラ果実エキス」や、青森県産の果肉まで赤い御所川原りんごから作られた「りんご果実水」など、青森県にゆかりのある成分を取り入れています。

さらにナイアシンアミド、などの美容成分を加え、化粧水・乳液・美容液の3役を1本で担う処方に仕上げました。

商品開発で特に重視したのは、肌へのやさしさと毎日使いやすい使用感です。

「7つの無添加」を前提に処方を組み立てながら、ベタつきにくく、肌なじみのよいテクスチャーを目指しました。成分を多く配合すれば、それだけで理想の商品になるわけではありません。濃度や組み合わせによって、重さや香り、肌なじみも変化します。

納得できる仕上がりになるまで試作を重ねたそうです。

また、商品パッケージに描かれている青い羽「ブルーウイング」のデザインも、市川様自身が考案しました。

青森県で生まれた成分を、羽に乗せて世界へ広げていきたい。そんな思いが、ブランド名とデザインに込められています。

PG オールインワン リッチゲルクリームりんごさくらN (しっとりタ
イプ)

青森県の産学官連携から生まれた「カタクリ葉エキス」

現在、イチカワ化粧品がプロテオグリカンと並んで力を入れているのが、青森県で生まれた「カタクリ葉エキス」です。

カタクリは、発芽してから花を咲かせ、次の種子ができるまでに最低7~8年以上かかるとされる植物です。雪解け後の短い期間に芽吹いて光合成を行い、翌年以降の開花に必要なエネルギーを地下に蓄えた後、地上部が枯れていきます。その可憐な姿から「春の妖精」とも呼ばれています。

成長に長い年月が必要なため、美容成分として安定的に活用するには、自然の資源を枯渇させない栽培方法の確立が欠かせません。

青森県の産学官連携プロジェクトでは、長年にわたってカタクリの栽培や増殖、抽出方法、機能性に関する研究が進められました。

その結果、再生可能な栽培・収穫方法が確立され、通常7~8年以上かかる開花までの期間を最短4年に短縮。組織培養による増殖も可能になったといいます。

収穫されたカタクリの葉は、選別、洗浄、乾燥、粉砕、抽出、ろ過・精製といった工程を経て、化粧品原料であるカタクリ葉エキスになります。

カタクリ葉エキスに期待される働き

カタクリ葉エキスを用いた研究では、炎症に関わる「TNFα」や一酸化窒素の産生抑制、メラニン産生抑制、細胞内の活性酸素除去、AGEsの生成抑制などに関する作用が確認されています。

また、肌のうるおいに関係するフィラグリンやセラミドの産生、肌のバリア機能に関係する酵素への働きも研究されています。

ただし、これらはカタクリ葉エキスという原料を用いた研究結果です。カタクリ葉エキスを配合した化粧品を使うことで、研究と同じ作用がそのまま得られることを示すものではありません。

イチカワ化粧品では、カタクリ葉エキスを肌を整えるための成分として日焼け止めに配合しています。

紫外線対策と保湿ケアを両立する「カタクリ UVプロテクト」

カタクリ葉エキスを配合して誕生したのが、顔・からだ用の日焼け止め「BLUE WING カタクリ UVプロテクト」です。

同商品はSPF50+・PA++の紫外線防止機能を備え、紫外線吸収剤を使用しないノンケミカル処方を採用しています。

カタクリ葉エキスのほか、御所川原りんご果実水、スクワラン、ヒアルロン酸、セラミド、オリーブ果実油などの保湿成分を配合。紫外線から肌を守りながら、日中の乾燥を防ぎ、うるおいを保つ処方です。

また、以下の9つの成分を使用しない処方にこだわっています。

  • 紫外線吸収剤
  • エタノール
  • パラベン
  • シリコーン
  • 合成香料
  • 合成着色料
  • 石油系界面活性剤
  • 鉱物油
  • 動物由来成分

無香料のミルクタイプで、白浮きしにくい仕上がりも特徴です。敏感肌を対象としたパッチテストも実施されています。

※すべての方に皮膚刺激が起こらないというわけではありません。

「プロテオグリカンだけでなく、青森県で生まれたカタクリ葉エキスも、これから広く届けていきたい」

市川様は、2つの成分を青森県から国内外へ発信していくことを、今後の目標として掲げています。

カタクリUV プロテクト

紫外線や冷房による乾燥から肌を守るには

夏の肌は、強い紫外線だけでなく、冷房による乾燥の影響も受けやすくなります。

市川様によると、日焼けしてしまった場合は、まず肌を冷やし、刺激を避けながら早めに保湿ケアを行うことが大切です。

オールインワンゲルなどを使って肌にうるおいを与え、乾燥を防ぎます。オフィスの冷房で乾燥を感じる場合は、保湿アイテムをデスクに置き、メイクの上から少量を薄くなじませる方法も取り入れているそうです。

ただし、日焼け後の肌は刺激を受けやすい状態です。赤みや痛み、水ぶくれなどの症状が強い場合は、化粧品の使用を控え、医療機関へ相談しましょう。

美容医療を取り入れていても、毎日の保湿は欠かせない

美容医療とホームケアについて、市川様は「それぞれに役割がある」と考えています。

美容医療を否定するのではなく、自分の悩みや目的に合わせて適切に取り入れることが大切です。一方で、美容医療によって整えた肌の状態を健やかに保つためには、日々のホームケアも欠かせません。

なかでも基本となるのが、肌にうるおいを与え、乾燥を防ぐことです。

美容医療を取り入れている場合でも、少しでも良い状態を長く保つためには、ホームケアが大切です。自宅では、まず保湿を基本に考えてほしいと思います。

市川様は、美容医療と毎日のホームケアを対立するものとして捉えるのではなく、目的に合わせて組み合わせることをすすめています。

高価な化粧品が、必ずしも自分に合うとは限らない

世の中には、高価格帯のものから手頃なものまで、数多くのスキンケア商品があります。

しかし、価格が高い商品ほど、すべての人に合うとは限りません。

市川様によると、肌によいと思って多くの商品を重ねた結果、かえって肌荒れやブツブツが生じてしまう方もいるといいます。

大切なのは、宣伝文句や価格だけで判断するのではなく、実際に自分の肌で試すことです。

使用後に刺激や違和感がないか、自分が抱えている肌の悩みに変化を感じられるかを確認しながら、無理なく使い続けられるものを選ぶ必要があります。

たくさんの商品を一度に取り入れるよりも、自分に合ったものをバランスよく、継続して使用することが、健やかな肌を保つための近道といえるでしょう。

研究によって広がるあおもりプロテオグリカンの可能性

あおもりプロテオグリカンは、化粧品原料としてだけでなく、経口摂取を含むさまざまな分野で研究が続けられています。

現時点では研究段階のものも多く、特定の健康効果を一概に断定することはできません。しかし、市川様は、今後の研究によってさらに新しい可能性が明らかになることを期待しています。

プロテオグリカンとカタクリ葉エキス。青森県の自然と研究者の技術から生まれた2つの成分には、地域の資源を守りながら、その価値を多くの人へ届けたいという思いが込められています。

自分の肌で確かめ、納得できるものを選んでほしい

最後に、市川様は、美容に関心を持つ読者に向けて、自分の肌と向き合うことの大切さを伝えてくれました。

年齢を重ねるなかで、さまざまなスキンケア商品を試してきた方もいるでしょう。しかし、評判や価格だけで商品を選ぶのではなく、自分の肌で試し、納得できるものを見つけることが大切です。

「高価だからよい」「人気だから自分にも合う」と思い込まず、肌の状態を観察しながら、自分にとって心地よく続けられるものを選ぶ。その積み重ねが、自分らしい美しさにつながっていきます。

青森県の豊かな自然と、産学官連携による研究から生まれたプロテオグリカンとカタクリ葉エキス。

商品の価格や知名度だけでなく、配合されている成分や開発の背景にも目を向けながら、自分の肌に合うスキンケアを探してみてはいかがでしょうか。

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実施時間:8月1日(土)~ 8月31日(月)まで
※詳しくは「株式会社イチカワ化粧品」のHPをご覧ください。

株式会社イチカワ化粧品 開発担当・代表 市川道恵様
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