自然だけが正解じゃない-美容医療の最前線で本音トーク!【久野先生×鬼沢先生】

美容医療は、興味はあっても「本当のところどうなの?」と疑問や不安を感じる方が多い分野です。

一人ひとりのなりたい自分に寄り添うべきなのか、自然な美しさを重視するべきなのか、悩む声も少なくありません。

そこで今回は、現役ドクターであるPRIDE CLINICの久野先生とAPOLLO BEAUTY CLINICの鬼沢先生に、現場のリアルや本音についてじっくり対談していただきました。

普段はなかなか聞けない業界の裏側を知るチャンス、ぜひ最後までご覧ください。

目次

美容医療の道に進んだきっかけ

久野先生
私は佐賀県出身で、どうしても大学で東京に出たいという気持ちがあり、東京医科歯科大学に入りました。ただ、最初から医者になりたいという気持ちがあったわけではなく、実習の中で「本当に何がしたいんだろう」と迷っていました。

初期研修の時に、湘南美容クリニックの代表・相川先生の同級生だった先生から「美容を見学してみては」と言われ、実際に見学した際に手術を見て楽しいと感じ、美容に進むことを決めました。

その後、湘南美容クリニックに入職し、5年半勤務してプライドクリニックをオープンしました。

鬼沢先生
もともと整形外科だったのですが、病気や怪我の方を100%治したいと思っても、後遺症が残ったり、なかなか理想通りにいかないことが多く、やりがいを感じなくなっていました。

医師を辞めるわけにもいかず、奨学金の返済もあったので「100%以上の結果を目指せる美容の分野に行こう」と考え、美容外科に転身しました。

得意な施術や手掛けてきた分野

久野先生
私はヒアルロン酸やボトックスなどの注入をメインでやっています。湘南美容クリニックでは美容皮膚科を主に担当し、新宿本院の皮膚科医局長も務めていました。

ヒアルロン酸注入や新人教育、トラブル対応なども担当してきました。今も注入系をメインに自分でクリニックを運営しています。

鬼沢先生
目まわりの手術が一番多く、現実的に目周りの施術依頼が多いので、そちらが得意分野になっています。ヒアルロン酸注入も目の下・上など希望に合わせて行っています。

患者からのよくある相談とその対応

久野先生
私はヒアルロン酸を中心に施術しているので、「ほうれい線」「目まわり」「リップの形」など、希望通りにできるかどうかというご相談が多いですね。

お客様一人ひとりのなりたい姿をしっかり聞いて、その希望に合わせるようにしています。美的価値観やセクシャリティによって希望が異なるので、カウンセリングで丁寧にヒアリングすることを大切にしています。

特にヒアルロン酸は施術直後に効果がわかるので、鏡を見た瞬間に希望通りか確認できるようにしています。

鬼沢先生
うちはカウンセラーがいないので、僕が直接「これはやったほうがいい」「これはやらないほうがいい」と説明しています。年齢や骨格の構造、生活状況を見ながら最適な施術を選択しています。

「よくある悩み」というより、本当に十人十色なので、患者さんと直接相談して決めています。

自然な仕上がりに対する考え方

久野先生
私は「自然な仕上がりが正解」とは考えていません。お客様がなりたい姿を最優先し、自然かどうかではなく希望に寄り添うことを重視しています。

写真を持ってくる方もいれば、「老けてきた」「写真写りが悪い」と相談される方もいます。多様性があり、それぞれに合わせて対応しています。

2丁目では外国人の方やセクシャリティの違う方も多く、求めるものもさまざまです。何を「自然」とするかも人によって違うので、カウンセリングでしっかり希望を伺っています。

鬼沢先生
「こういう感じにしてほしい」と明確なイメージがある方もいれば、具体的な希望はなく「なんとなく老けてきた」など曖昧な相談も多いです。

年齢や骨格だけでなく、実際に手術の内容も「ヒアルロン酸で良いのでは」と提案することもあります。

「自然な仕上がり」だけでなく、お客様の要望に合わせることが大切だと考えています。

技術や美容医療トレンドの変化

久野先生
ヒアルロン酸注入ではMDコード(骨格に沿った注入法)が出てきて、それまでのやり方から大きく進化しています。

最近は施術エリアが広がり、より細やかに対応できるようになりました。学会や勉強会で常に新しい技術を学ぶことが必要だと感じています。

鬼沢先生
技術については、正直「新しい」と感じることが少ないです。MDコードも20年以上前に提唱されたもので、今再び話題になっているような印象です。

手術のトレンドよりも、学会では注意喚起や失敗例の共有が多く、「真新しさ」よりも「再評価」が多いと感じています。

日本と世界の美容医療業界の違い

久野先生
最近は外国人の患者さんが多いです。円安もあって日本の価格が安いという理由で来院される方も増えています。

ただ、その分アフターフォローが難しい課題もあります。世界の有名な先生や論文から情報を得て、技術向上に努めています。

鬼沢先生
日本と海外で決定的な違いは特に感じていません。韓国は美容医療にオープンですが、日本も今は十分オープンになってきていると思います。

「隠す時代」は終わり、街中でも美容医療の痕跡を隠さない方が増えています。

日本と世界で優れている点、今後について

久野先生
日本は価格が安く、外国人にも受け入れやすい一方、アフターフォローが難しいという課題があります。

世界的に見て、海外には優れた技術を持つ先生が多いので、論文などから学ぶ姿勢を大切にしていますね。

鬼沢先生
日本人は真面目で勤勉、職人気質が強いと感じます。これは世界に誇れる部分だと思います。

一方、マーケター主導の流れや「儲け優先」の風潮には危機感があります。技術者が評価される世界になってほしいです。

海外施術のトラブル対応

久野先生
韓国でのヒアルロン酸注入が多すぎたり、希望しない施術をされた方の修正依頼が多いです。

必要に応じてヒアルロン酸を溶かすなど、できる限り対応していますが、正しい情報収集と自己判断の大切さも感じています。

鬼沢先生
海外で施術した方から「修正してほしい」という相談は多いですが、基本的に大掛かりな修正は断っています。責任の所在が不明確なことが多いためです。

部分的な処置や小さなトラブル対応には応じることもありますが、「形を全部変えてほしい」などは全て断っています。

偏見や価値観、SNS・インフルエンサーの影響

久野先生
偏見や価値観は徐々に変化しており、多様性が教育現場でも重視されるようになってきました。SNSやインフルエンサーの影響も大きいですが、今の時代らしい流れとして受け入れています。

鬼沢先生
SNSがきっかけで偏見が減った側面もありますが、情報の正確性を見極める力が必要だと感じます。

症例写真も加工されていることが多く、最終的には信頼できる医師に直接相談することが大切です。SNSはあくまで「入り口」として活用すべきだと考えています。

業界の将来・期待

久野先生
誰もがなりたい自分になれる社会や、技術がさらに進化することを願っています。海外の先生方の情報をしっかり学び、より良い医療を提供できるようにしたいです。

鬼沢先生
儲け優先の風潮には危機感があります。日本人の職人気質や真面目さが活かされる世界、そして正しい技術がきちんと評価される美容医療業界になってほしいです。

まとめ

今回の対談を通じて、美容医療は「自然さ」や「流行」にとらわれず、一人ひとりの理想や価値観を尊重することが大切だとわかりました。

日本の技術力や真面目さ、そして丁寧なカウンセリングが、より良い美容医療の未来を支えています。今後も技術や価値観の多様化が進み、さらに多くの選択肢が生まれていくでしょう。

もし美容医療について悩みや不安があれば、ぜひ久野先生や鬼沢先生に気軽に相談してみてください。

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