ワキガと多汗症の違いは?治療方法やセルフケアなども詳しく解説【山内皮ふ科スキンケアクリニック様】

ワキガや多汗症は、日常生活でのストレスにつながるデリケートな問題です。

これらの症状は原因となる汗腺の種類によって異なり、治療方法も多岐にわたります。

今回は、治療方法やセルフケアのポイントについて山内皮ふ科スキンケアクリニック様にお伺いしました。

子どもの治療における注意点についてもご紹介しますので、ワキガや多汗症に悩んでいる方は、ぜひ最後までお読みください。

目次

ワキガと多汗症の違いは?

ワキガは医学的には腋臭症、多汗症は腋窩多汗症と言われ、これらは主な原因となる汗腺の種類が異なります

アポクリン汗腺

アポクリン汗腺が発達して、臭いが問題となるのがワキガといわれるものです。

アポクリン汗腺はたんぱく質や皮脂を含んだ汗を分泌します。アポクリン汗腺は乳輪やわき、耳、へそ、外陰部に多く分布し、汗に含まれる皮脂やたんぱく質が常在菌に分解されることで独特の臭いになります。

また、黄色調の汗染みの原因となるのもアポクリン汗腺から分泌される汗の特徴です。

エクリン汗腺

エクリン汗腺の活動が活発で、汗の量そのものが問題となるのが多汗症と言われています。

エクリン汗腺は額やワキ、手、足、胸部に多く存在し、体温調節や辛い物を食べた時などに発汗する特徴があります

この汗腺から分泌される汗は、サラサラとしており、特に臭いはありません。ただ、雑菌が繁殖すると生乾きのようなにおいがすることがあります。

ワキガのセルフチェック

ワキガは自分では気づきにくいことが特徴です。ワキガの素因があるかどうか、以下の特徴を見直すことでチェックできます。気になる方は参考にしてみてください。

  • 家族にワキガ体質の人がいる
  • 耳あかが湿っている。
  • 毛深い
  • ワキの下の発汗量が多い
  • 汗をかいた際に黄色い汗染みがつく
  • 冬でも汗をかく
  • ストレスが多い
  • 肉や乳製品をよく食べる
  • わき毛やわきの下の皮膚に白っぽい粉が付く

ワキガには遺伝性が指摘されているものです。また、アポクリン汗線が発達している方は耳垢腺からの分泌液も多くなり、湿った耳垢であることが知られています

たんぱく質を多く含む汗は、黄色の着色汚れのもとになるため、これらに該当する場合には体質としてアポクリン汗線が発達している可能性が考えられます。

また、ストレスや食生活もアポクリン汗腺の分泌と関係が強く、軽度のワキガの場合には生活習慣の見直しによって臭いを軽減することが期待されます。

ワキガの予防法や対策は?

汗腺の量を自分で治すことは出来ませんが、元々症状が軽度である場合には、以下の方法により臭いの軽減対策ができるでしょう。

  • 汗をこまめにふき取る
  • わき毛の処理を行いわきを清潔に保つ
  • 通気性の改善
  • 肉類や脂質の摂りすぎに注意するなど食生活の見直し
  • 適度な運動習慣によるストレス解消

汗のふき取りにおいては、皮膚や毛根を傷つけないように優しくふき取ることや、わき毛の処理のあとは、保湿を行うことをおすすめします。

ワキガや多汗症の治療の種類や特徴は?

ワキガや多汗症の治療は、外用薬や内服薬、ボトックス注射、マイクロ波治療、手術など多岐にわたります。それぞれに効果や注意点があり、適切な選択には医療機関での診察や相談が必要です。

外用薬

ラピフォート®ワイプ、エクロック®ゲルといった外用薬が、重度の多汗症に対する保険治療薬として処方されることがあります。

基礎疾患などがあると使用ができない場合や副反応などの可能性があり、管理面での注意も求められます。保険適応には医療機関で診察し、適応と判断されることが必要で、処方される量にも制限があるので注意しましょう。

内服薬

プロ・バンサイン®錠は重症の多汗症に対する治療薬として保険診療で処方されることがあります。

ただ、副反応や基礎疾患の状態などにおいて注意が必要な製剤なので、お薬の治療を希望される方は皮膚科などの医療機関を受診し、適応の判断について相談することをおすすめします。

ボトックス治療

ボトックスはボツリヌス毒素を主成分とする、主に注射での治療に用いられる薬剤です。

ボトックスの注射薬は汗腺の活動を抑制する効果があり、保険診療でも自費診療でも行われることがありますが、保険適応は重症の多汗症に限られます。

マイクロ波治療

ミラドライという機械によるマイクロ波治療は、多汗症やワキガに対する自費診療分野で行われることがあります。

厚生労働省の管轄のもと、複数の専門学会が作成した美容医療診療指針では、マイクロ波治療は多汗症に関して「効果はボツリヌス毒素製剤注入療法に匹敵し、熱傷など合併症も少なく、安全性は比較的高いです。多汗症の選択肢の1つとして行うことを強く推奨できる」と評価しています。

また、ミラドライは多汗症に対して厚生労働省の承認も受けています。

手術

多汗症は皮膚の中のエクリン汗腺が原因のため、手術治療の適応にはなりません。ただ、ワキガに対しては治療として手術を行うことが可能です

手術についてはさまざまな方法がありますが、保険診療では皮弁法という、皮膚を切開した部分からアポクリン汗腺を含む皮下組織を切除する方法が行われることがあります。

アポクリン汗腺を物理的に除去することから手術の効果は非常に高いとされていますが、術後の血腫や感染などの合併症や傷痕が目立つなどのリスクもあるため、事前に医療機関での十分な説明やカウンセリングを受けることをおすすめします。

保険外の手術治療では、小さな傷からかみそりのような管状の機械を挿入して、皮膚の下にあるアポクリン汗腺を削り取るようなものもあります。いずれにせよ、手術はハイリスクハイリターンな治療なので、合併症などについても十分な説明を聴いたうえで治療を行うようにしましょう。

子どもの多汗症・ワキガ治療について

小児のワキガや多汗症は、いじめなどのきっかけになるのではないかと心配される方も多くいらっしゃるかと思います。

非常にセンシティブな問題でもあるので、もしお子様がこのような悩みを抱えられて精神的な負担となっているようであれば、まずは悩みや不安をしっかりと聞いて理解してあげることが大切です。その上で、専門家への受診により解決策を模索するようにしましょう。

特に小児では、ホルモンの影響により、思春期を境にアポクリン汗腺が発達します。小児期に手術を行ってしまうと、手術後に思春期のアポクリン汗腺の発達によって、ワキガが再発することがあるので注意が必要です。ワキガの手術はもともと血腫などのリスクがある上、繰り返し行うと術後合併症のリスクが大変高くなってしまいます。

思春期を終えるまでの若年者の多汗症・ワキガ治療については、手術などは慎重に考えていただき、食事やストレスの軽減、運動などの生活の見直しなど基本的なことから始めるのがおすすめです。医療行為としては塗り薬やデオドラント、注射までの治療などで改善を図ることをご検討されるのが良いでしょう

専門医との相談しながら適切な治療を選ぶことが大切

ワキガや多汗症の治療法の選択には専門医の診察が欠かせません。

外用薬や内服薬、ボトックス注射、マイクロ波治療、手術など、治療方法もさまざまあり、それぞれの特徴やリスクをしっかりと把握して、治療方法を選択することが大切です。

悩みがある方は、まず医療機関を訪れ、十分なカウンセリングを受けることをおすすめします。

当院では、お客様と丁寧なカウンセリングを行い、ご納得のいく形での治療をご提供しております。カウンセリングや治療に関して不安や疑問がございましたら、どうぞお気軽にご相談ください。

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インタビュー:山内大輔
社名:山内皮ふ科スキンケアクリニック
事業内容:皮膚科、形成外科、美容皮膚科、美容外科
サイト:https://yamauchi-skin.com/

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